PRP(多血小板血漿)療法は自分の血小板を利用した安全な再生医療です。血小板は
成長因子を放出することにより、コラーゲン合成や血管新生、抗炎症作用などから組織修復を
促進します。アスリートの復帰を早めたり、手術を回避することができる可能性がある
素晴らしい治療です。
※調整キットの値上げにより、申し訳ありませんが、2023/7/1以降治療費(自費)の値上げをさせて頂きます(詳細は下記pdfをご参照下さい)。ご理解ご協力の程、よろしくお願い致します。
ミューズシティークリニック
ADRC (Adipose-Derived Regenerative Cells)とは脂肪組織由来再生(幹)細胞のことで、
皮下脂肪組織から脂肪細胞を除いて得られる間質血管細胞を中心とした細胞群のことです。
患者様ご自身の脂肪組織を脂肪吸引で採取し、セルーション(Celution®)遠心分離器及び
セルーションセルセラピーキットという専用の医療機器を使って投与用のADRCを調製し、
これを関節腔内に投与します。 皮下脂肪組織には、幹細胞が骨髄と比較して2,500倍も
含まれている事が 明らかになっており1,2、ADRCには幹細胞以外にも造血細胞、間質細胞、
平滑筋細胞など 様々な細胞が含まれ3、これらが協働して効果的に働くと考えられています。
抗炎症作用による疼痛の軽減、組織の修復や機能維持、症状の進行を遅らせることが
期待されます4,5。
変形性関節症と診断され、通常の保険治療で症状が改善しない方、また人工関節手術など
を勧められているが、手術を希望しない患者様が対象となります。
アフルエントの2022.2月号に掲載された記事
『再生医療で痛みを諦めない!』
治療の流れ
当院におけるADRC治療の特徴
ADRCを用いた治療では、脂肪組織から幹細胞を含む様々な細胞群を濃縮して、
より生体に近い細胞群を培養せずにそのまま関節腔内に投与します。
幹細胞を培養する方法では数週間掛かるのに比べ、調製後すぐに投与しますので感染リスクも低く安全性が高いのが特徴です。患者様は施術の当日お越し頂いて、脂肪吸引、
セルーションによるADRCの調製と投与までおよそ3~4時間で終了します。
投与後はそのままお帰り頂けます。
施術は関連施設であるミューズシティクリニックにて行います。
ADRCを用いた変形性関節症の治療は現在、関東ではミューズシティクリニックを含め
2施設しか提供しておりません
脂肪吸引について
熟練した形成外科専門医が脂肪吸引を担当します。関節の治療と同時に、
お腹周りをスッキリさせる効果も期待できます。
また、『BeautiFillビューティフィル』という
最新型のレーザー搭載脂肪吸引器を用います。
《特徴》
①レーザーにより脂肪組織を溶かしながら、細胞を遊離させるため、
吸引スピードが速やか(手術時間:約30分)です。
②脂肪細胞を傷つけないように採取できるため、細胞の質が大変良好
(細胞生存率:約90%)で移植治療に適しています。
③傷は腹部の左右1カ所ずつ、直径5ミリ程度で、レーザーを用いるため、
出血が少なく、術後の皮下出血や痛みは他の手法に比べて、格段に少ないです。
④日本の厚生労働省にあたるアメリカのFDAから認可を取得した医療機器です。
脂肪吸引においては麻酔科専門医が立ち会いますので痛みのない施術が可能です。
1 Caplan AI. Why are MSCs therapeutic? New data: new insight. J Pathol. 2009 Jan;217(2):318-24. doi: 10.1002/path.2469. PMID: 19023885.
2 Fraser JK, Wulur I, Alfonso Z, Hedrick MH. Fat tissue: an underappreciated source of stem cells for biotechnology. Trends Biotechnol. 2006 Apr;24(4):150-4. doi: 10.1016/j.tibtech.2006.01.010. Epub 2006 Feb 20.
3 Lin K, Matsubara Y, Masuda Y, Togashi K, Ohno T, Tamura T, Toyoshima Y, Sugimachi K, Toyoda M, Marc H, Douglas A. Characterization of adipose tissue-derived cells isolated with the Celution system. Cytotherapy. 2008;10(4):417-26. doi: 10.1080/14653240801982979.
4 Tsubosaka M, Matsumoto T, Sobajima S, Matsushita T, Iwaguro H, Kuroda R. The influence of adipose-derived stromal vascular fraction cells on the treatment of knee osteoarthritis. BMC Musculoskelet Disord. 2020 Apr 6;21(1):207. doi: 10.1186/s12891-020-03231-3.
5 Lapuente JP, Dos-Anjos S, Blázquez-Martínez A. Intra-articular infiltration of adipose-derived stromal vascular fraction cells slows the clinical progression of moderate-severe knee osteoarthritis: hypothesis on the regulatory role of intra-articular adipose tissue. J Orthop Surg Res. 2020 Apr 9;15(1):137. doi: 10.1186/s13018-020-01664-z.
「筋筋膜性疼痛症候群(MPS)」とは、筋肉をおおう筋膜という組織が何らかの原因で硬くなったり周囲と癒着してしまい、結果として筋膜や筋の動きが悪くなったり、体を動かすときにその部分が引っ張られて痛みを起こす状態を言います。近年、このMPSに対して画期的な治療が開発されました。それはハイドロリリースという方法です。原理は簡単、生理食塩水のような「水(ハイドロ)」を痛みを起こしている部位の筋膜に注射し、筋膜に潤いを与え、筋膜同士の癒着を剥がす(リリース)のです。効果は注射後すぐに現れ、注射の場所が正しければその場で7-8割の痛みがなくなります。適応としては、首、肩、腰痛で痛み止めやリハビリで治療しても改善が乏しい場合(ストレートネック、四十肩、脊柱菅狭窄症、ヘルニアなどの診断名がついていても、痛みの直接の原因がMPSの場合もあります)、またぎっくり腰や寝違えなど急性の筋肉の痛みにも著効します(他にも神経の痛みなどに効くことがあります)。基本的に食塩水を使いますので(局所麻酔薬を少量併用することはあります)副作用の心配が少なく、妊婦や授乳婦の方にも安心して受けていただけます。痛みを抱えて困っていらっしゃる方、諦めずに筋膜リリース外来にご相談ください。
筋膜リリースの適応疾患は、頸部痛、腰痛、肩関節周囲炎のほかに、
変形性膝関節症での関節外の疼痛(鵞足炎など)
・外側上顆炎で腱にデカドロン注射してもよくならない前腕外側痛(回外筋リリースします)
・手根管症候群で手術待ちで、でも手術するほどじゃないかという方の手のしびれ(正中神経リリースします)