潰瘍性大腸炎とは


潰瘍性大腸炎でお悩みのかたは
当院までご相談ください
潰瘍性大腸炎は大腸粘膜に慢性的な潰瘍や炎症が生じる疾患で、炎症性腸疾患(IBD)の一種です。当院では年間200名以上の診療を行っております。重症のかたについては東京大学大腸肛門外科と連携し治療を行っています。専門的な治療をご希望の方は当院にご相談ください。なお、他院で治療中のかたは、紹介状の持参をお願いいたします。紹介状がない場合、十分な情報が得られず、詳しい説明が難しくなることがありますのでご了承ください。また、SKY CLINIC(広島)にて漢方治療を受けているかたで、定期的な検査(便中カルプロテクチン検査、採血検査<LRG、BNP>、便潜血検査、大腸内視鏡検査など)をご希望のかたにも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
潰瘍性大腸炎の症状


潰瘍性大腸炎は全身症状や合併症の
リスクもある疾患です
潰瘍性大腸炎の症状として、主に下痢や腹痛があげられます。血便を伴うこともあり、炎症が生じた場合は直腸から上行性に広がり、大腸全体に及ぶ可能性もあります。 発熱、貧血などの全身症状、および関節や皮膚、目などに合併症として炎症が生じることもありますので、早めの治療が重要になります。
下痢
高頻度で水分量の多い便が出ます。腸に炎症が現れている場合は特に、何度も排便を必要とすることになります。
腹痛
炎症の部位や程度によって、腹痛の症状や程度も変わってきます。排便前後には、特に腹痛が強くなる傾向が多いと言われています。
血便
便に血が混じっている状態であり、腸粘膜の炎症や潰瘍からの出血が主な原因とされています。潰瘍性大腸炎の典型的な症状と言えます。
全身症状
お腹周りの症状だけでなく、貧血、発熱、全身のだるさなどが生じることがあります。主に、大腸の炎症反応が原因とされています。
合併症
関節、皮膚、目などへの合併症として大腸以外にも炎症が生じることがあります。皮膚の発疹、関節の痛み、目の充血などが主な例です。
潰瘍性大腸炎の原因

近年の研究で、潰瘍性大腸炎を生じる要因がいくつか解明しつつありますが、完全にはわかっていません。複数の要因が関わっていると言われています。
免疫異常
潰瘍性大腸炎になると、体内に異物が侵入した際に免疫システムが過剰に働くため、自身の腸を痛めてしまいます。免疫異常とも呼ばれており、大腸の炎症に繋がって潰瘍性大腸炎になることがあります。
腸内細菌
腸を健康な状態で維持するため、腸内には多くの細菌が存在しています。しかし、腸内の細菌バランスが乱れて異常な環境になり炎症が起きやすい状態になってしまうと、潰瘍性大腸炎のリスクが高まります。
食生活の変化
高糖質、高脂肪、加工食品の摂取増加など腸内環境に悪い食生活を続けていると、腸内で炎症が起きやすくなってしまいます。結果として、潰瘍性大腸炎の発症に影響を与えることがあります。
潰瘍性大腸炎の検査方法

大腸カメラ検査
(下部消化管内視鏡検査)
大腸カメラを用いれば、大腸粘膜を直接確認することができます。また、定期的に検査することで、粘膜の炎症状態の確認、治療効果や症状の評価が可能です。なお、症状が安定した後も年1回など定期的な検査を推奨しております。
便検査
大腸の状態を確認するために有効な検査であり、便潜血の検出をはじめとして、炎症マーカーの有無(便中カルプロテクチン検査)などがわかります。また、便培養検査で病原性細菌に関する評価も行います。
血液検査
潰瘍性大腸炎などの疾患を評価するために、血液検査も実施することがあります。定期的に検査をすることで、炎症の程度、炎症や出血に伴う貧血度合い、栄養吸収力の低下による栄養状態の変化など確認できます。
CT検査
潰瘍性大腸炎の診断において、特定の症状や状態の場合はCT検査を行います。主に下痢や血便、腹痛などが重度であり他の腹部疾患であるか診断が必要なケース、および重症例で内視鏡検査の実施が困難なケースなどがCT検査実施に該当します。
潰瘍性大腸炎の治療方法

潰瘍性大腸炎を治療していくためには、主に数種類の方法があります。
薬物療法
主な潰瘍性大腸炎の治療方法であり、以下の薬物が使用されます。
5-アミノサリチル酸
(5-ASA)製剤
基本的な治療薬であり、腸内で薬が放出されて腸粘膜の炎症を抑えます。軽度~中等症の病型を対象としており、左側大腸炎型や直腸炎型に対して有効です。
ステロイド
5-ASAの投薬でも効果が不十分なかた、重症・劇症なかたを対象としています。即効性があり腸の炎症を抑えますが、徐々に使用を中止する必要のある薬剤です。
免疫調節薬
服用することでリンパ球の増殖を抑える効果があり、免疫異常を調節します。服用後に効果が出るまで時間を要するため、寛解維持の目的で処方されます。
カルシニューリン阻害薬
投薬後は即効性があり、リンパ球の増殖を抑える働きをします。難治中等症~重症のかたが対象であり、長期間の維持投与は行わない薬剤です。
生物学的製剤
生体のタンパク質を用いて作られた薬であり、通常の治療では効果が見られないケースで実施されます。寛解導入、および維持の効果が期待できます。
JAK阻害剤
服用することで免疫細胞の伝達経路を阻害する効果があり、炎症を抑えます。中等症~重症のかたを対象としており、寛解導入と維持に用いられます。
血球成分除去量法
ステロイドを使用しても効果が少ないかた、および中等症~重症のかたに向けて行われます。免疫過剰の原因である血中の細胞を除去し、体内に戻す方法を取ります。比較的ゆっくりと効果が現れる特徴を持ちます。
外科治療
炎症のある部分を摘出して、小腸と肛門をつなげる外科治療です。内科的な治療で効果がなかったかた、大腸がんを伴うかた、腸に穿孔や大量出血のあるかたが対象になります。

腸に関するお悩みや身体の不調など
お気軽に当院までご相談ください
当院では、日本大腸肛門病学会専門医で豊富な経験・知識を有する医師が、専門的な治療を実施します。薬の服用や外科治療など、患者様一人ひとりに適した治療をご提案させていただきます。潰瘍性大腸炎をはじめとして胃・腸・肛門などでお悩みのかた、身体に不調を感じるかたなどは、ぜひお気軽に当院までご相談ください。