内視鏡AIとは


AI技術を取り入れた、新しい胃内視鏡検査のかたち
内視鏡AIとは、医師が内視鏡検査を行う際に、その診断を補助する“内視鏡画像診断支援システム”を指します。内視鏡検査中に、内視鏡AIを使用することで、病変部分を矩形(くけい)などで表示し、医師の診断をアシストします。今までの検査では、医師が一人で検査を行い、病変を発見し、その病変について判断を行う必要がありましたが、内視鏡AIを使うことで医師の診断をサポートし、病変の見逃しを減らすことが期待されています。ソフトウェアの精度が上がれば、将来的にはがんの見逃しがゼロとなる日がくるかもしれません。
AIメディカルサービス社が開発した
内視鏡画像診断支援システム
ジェイズ胃腸内視鏡・肛門クリニックでは、2024年3月4日に発売となりました、内視鏡の画像診断支援AIを開発するAIメディカルサービス社が開発した、医師の診断補助を行うAIを搭載した内視鏡画像診断支援システム(販売名:内視鏡画像診断支援ソフトウェア gastroAI-model G)を導入しました。
現在は、画像上早期胃がんおよび腺腫を疑う領域を”リアルタイムでダブルチェック”する「gastroAI™ model-G2」へと、さらにアップデートされています。
経鼻胃内視鏡検査を行っているときに、医師が胃がんなどの腫瘍性病変を疑った場合に、フリーズ操作を行うと、AIが解析をし、腫瘍が疑われる部位を四角い枠(矩形)で画面上に表示します。
医師はその表示を参考に、さらに詳しくその部分を観察したり、「NBI(narrow band imaging)」という特殊な光を使って病変の確認を行います。腫瘍の可能性が高いと判断された場合には、生検(組織を採取して調べる検査)を行います。
内視鏡AIは胃がんを見逃さずに発見する能力(感度)が高いことが特徴です。内視鏡AIと医師が連携して検査を行うことで、より正確で信頼性の高い診断が可能になります。
※生検を行うかどうかや、紹介先での詳しい検査や治療が必要かどうかは、最終的には医師が判断します。内視鏡AIが反応を示しても、詳しく観察した結果、炎症などの良性変化と判断された場合は、生検を行わないこともあります。逆に、AIが反応しない場合でも、医師が必要と判断すれば生検を行うこともあります。

内視鏡AIに精通した医師による胃内視鏡検査
ジェイズ胃腸内視鏡・肛門クリニック理事長・柴田淳一医師は、内視鏡AIの開発を行うAIメディカル社の取り組みに協力し、内視鏡AIに関する知見を学会や講演などで発表してきました。また、実際の臨床使用経験を踏まえ、ウェビナーでの司会、発表など多数の講演活動を行っています。さらに、医療AIの臨床使用に関する書籍を共著として刊行しています。
業績:「上部消化管領域の内視鏡画像リアルタイム診断支援AIの開発」
「世界へ広げる!日本の内視鏡AI ~これまでの歩みと未来の展望~」(第29回日本ヘリコバクター学会、ランチョンセミナー)
”Implementation of artificial intelligence in upper gastrointestinal endoscopy”
”Current Status of Artificial Intelligence-Based Computer-Assisted Diagnosis Systems for Gastric Cancer in Endoscopy”
「内視鏡AIは次世代へ ~gastroAI™ model-G2 がんの見逃しゼロを目指して~」 (参照ページ)
「医療現場でのAI画像診断、現状や課題を現役医師とエムスリー代表が議論」 (参照ページ)
「医療AIの臨床実装――医療現場で使用されるAI技術」 (”医療現場で活躍する最新の内視鏡AI技術”)(参照ページ)
当院の前身である"ただともひろ胃腸科肛門科"では、早くからAI技術に注目してきました。名誉理事長・多田智裕医師が、がん研有明病院・平澤俊明医師と共同で行った胃がんの人工知能診断論文が世界的な胃がん専門医学誌である、Gastric Cancer誌に掲載されました。これは、AIによる胃がんの拾い上げ精度を検証した世界で初めての論文です。
現在も当院には、内視鏡AIの開発や検証に関わってきた医師が複数在籍しており、AI技術を活用した胃内視鏡診断に取り組んでいます。

内視鏡AIを活用した胃カメラ検査は、当院にご相談ください
ジェイズ胃腸内視鏡・肛門クリニックには内視鏡検査室を2室備えており、いずれの検査室にも内視鏡AIを導入しています。検査は医師の判断のもとで内視鏡AIを活用し、胃カメラ検査を行っています。保険診療として胃カメラ検査を受けられる場合には、保険診療の範囲内での対応となり、内視鏡AIの使用に伴う特別な費用は発生しません。また、さいたま市胃がん検診における胃内視鏡検査においても、内視鏡AIを活用した検査を行っており、こちらについても追加費用はなく、市の定める自己負担の範囲内で受診いただけます。内視鏡AIを用いた胃内視鏡検査にご関心のある方は、お気軽に当院までご相談ください。