痔がある状態で大腸カメラを受けても大丈夫?悪化や痛みの不安に専門医が解説|さいたま市南区の胃腸科・肛門科|ジェイズ胃腸内視鏡・肛門クリニック

〒336-0021
埼玉県さいたま市南区別所7-2-1
武蔵浦和メディカルセンター202
当院は予約制です

※予約外も診察いたしますが、1時間以上待ち時間が発生する場合もあります。

医療コラム COLUMN

痔がある状態で大腸カメラを受けても大丈夫?悪化や痛みの不安に専門医が解説

更新日:2026年02月03日

専門医が痔と大腸カメラについて解説
「痔があるのに、大腸カメラを受けて本当に大丈夫なのだろうか?」
「検査の刺激で痔が悪化したり、出血や強い痛みが出たりしないか不安だ…」

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を勧められた際、このような不安を感じる方は非常に多くいらっしゃいます。特に、いぼ痔(内痔核)や切れ痔(裂肛)で出血や痛みがある時期は、検査に対する心理的なハードルが高くなるのも無理はありません。

結論から申し上げますと、ほとんどの症例において、痔があっても大腸カメラは安全に実施可能です。

むしろ、「痔があるからこそ、大腸内のチェックが必要になる場面が非常に多い」のです。
本コラムでは、大腸肛門病専門医・消化器内視鏡専門医の両方を持つ立場から、痔と大腸カメラの関係について分かりやすく解説します。


1. 痔があっても大腸カメラは受けられます

痔があっても大丈夫|検査ができる疾患一覧

医学的に見て、以下の肛門疾患は大腸カメラを「受けてはいけない理由(禁忌)」には該当しません。

  • 内痔核・外痔核(いぼ痔):程度を問わず検査可能です

  • 軽度〜中等度の裂肛(切れ痔):適切な処置を併用すれば可能です

  • 肛門周囲の炎症:一時的な腫れがあっても、多くの場合実施できます

おしりに優しい「愛護的な大腸カメラの挿入」

最新の内視鏡スコープは、非常にしなやかで細い構造をしており、先端も粘膜を傷つけにくい安全設計になっています。検査時には専用のゼリーを十分に使い、肛門に負担をかけないように「おしりに優しい丁寧な挿入(愛護的な挿入)」を行うため、痔があること自体で検査ができなくなることはほとんどありません。

専門施設では「痔の術前大腸カメラ」が標準

むしろ、入院治療が必要なレベルの重い痔の術前には、多くの専門施設で必ず大腸内視鏡検査による精査が行われています。これは、手術が必要なほど進行したいぼ痔がある状態でも、内視鏡検査は安全に受けられるという証拠でもあります。それだけ「痔の出血」だと思っていても、実は大腸の病気が主原因であったり、痔と合併して大腸病変が見つかったりするケースが多いのです。


2. 「痔の出血」と「大腸がん」を見分ける重要性

専門医でも「見た目だけ」の判断は困難

「お尻から血が出たけれど、いつもの痔だろう」と自己判断してしまうのが、医学的に最もリスクが高い行為です。実は、出血の色や量などの症状だけでは、専門医でも「出血の原因がどこか」を正確に見分けるのが難しいことが多いのです。

実は成人の5割以上が痔持ち?「痔があるから安心」と言えない理由

アメリカの疫学調査では、成人の5割以上が痔を患っているというデータがあります。これほど頻度が高い病気だからこそ、「痔があること」と「出血の原因が他にあること」の両方を常に念頭に置いて対応する必要があるのです。

痔の陰に隠れているかもしれない重大な疾患

大腸カメラで確認すべき、痔以外の重大な疾患には以下があります。

  • 大腸ポリープ:自覚症状がほぼなく、痔の出血と混同されやすい

  • 大腸がん:特に直腸がんなどは、痔と同じような赤い血がみられます

  • 潰瘍性大腸炎:血便や粘液まじりの便を「痔のせい」と勘違いし、診断が遅れるケースがあります

「痔があるからといって出血の原因が痔とは限らない」

これが、「痔がある方にこそ大腸カメラ」をお勧めする最大の理由です。


3. 検査時の「痛み」を抑える工夫|当院が事前に行う肛門診察の意義

肛門科医による事前のコンディション把握

痔をお持ちの患者さんが安心して検査を受けるために、排便時の出血や肛門の痛みのある方には、大腸カメラの前に肛門科医による肛門診察(指診・肛門鏡)をうけることをおすすめします。

事前診察を行う3つのメリット

事前に肛門の状態(重症度、炎症の強さ、出口が狭くなっていないか)を把握することで、以下のメリットがあります。

  1. 安全性の向上:検査がスムーズに行える状態か、内視鏡検査前に判断します

  2. 心理的な不安軽減:自分の状態を医師が把握している安心感を持って検査に臨めます

  3. 最適な器具の選択:診察結果に基づき、必要であれば通常より細いカメラを準備します

    ジェイズ胃腸内視鏡・肛門クリニックの肛門科外来


4. 肛門狭窄がある場合への対応|検査時期の調整

内視鏡挿入が困難となる主な原因

一部の症例では、肛門が狭くなっている「肛門狭窄(こうもんきょうさく)」により、内視鏡の挿入が困難となることがあります。

  • 慢性的な切れ痔による瘢痕性狭窄(出口が硬く、狭くなっている状態)

  • 肛門管がん・直腸がんの局所進展

  • 手術後の引きつれ(瘢痕)

「狭窄=検査不能」ではない

ただし、重要なのは「狭窄 = 検査不能」ではないという点です。細径スコープを選択することで安全に検査可能となる症例が多数あります。

痔の状態に合わせた最適なタイミングの提案

もしあまりに狭窄が強く、無理な挿入がお体に負担をかけるような場合には、「先に痔の手術を行い、肛門の状態が改善してから大腸カメラを受ける」といった対応を行うこともあります。肛門所見や既往歴、痛みの程度を踏まえ、無理のない最適なタイミングを専門医と相談することが重要です。


5. 最新内視鏡システムによる「精密な観察」と「苦痛の軽減」

当院では、オリンパス社製の最新内視鏡システムを導入し、患者様の体格や肛門の状態に合わせて最適なカメラ(スコープ)を使い分けています。

細径内視鏡「PCF-290I / PCF-290ZI」

先端部外径が11.7mmと非常に細く、しなやかなカメラです。一般的なスコープ(約12mm以上)に比べてお尻への刺激を大幅に抑えられるため、痔がある方や過去の検査で痛みを感じた方に適しています。

最新高精細スコープ「CF-1200Z」

最新の光学技術を搭載した、極めて描出能力の高いモデルです。圧倒的な解像度により、早期の大腸ポリープや、発見が難しいと言われる「平坦型(へいたんがた)」の病変、視認性の悪い小さな変化も鮮明に映し出します。


まとめ:痔は「検査を避ける理由」にはなりません

痔は非常にポピュラーな病気ですが、同時に「他の大腸疾患を隠してしまう」こともあります。「痔があるから検査できない」「痛そうだから様子を見る」という判断が、大腸がんや大腸ポリープなどの早期発見を遅らせてしまうのは避けなければなりません。

当院では、日本大腸肛門病学会専門医および消化器内視鏡学会専門医が、お尻の病気と腸の病気の両面から、あなたに最適な検査・治療をご提案します。

さいたま市で大腸カメラ・肛門科をお探しの方へ

当院はJR武蔵浦和駅から徒歩4分。さいたま市内をはじめ、戸田市、蕨市、川口市など近隣からも多くの方にご来院いただいております。 「痔があるけれど、大腸カメラを受けられる?」という疑問をお持ちの方は、ぜひ一度外来でご相談ください。

【ジェイズ胃腸内視鏡・肛門クリニックの大腸内視鏡検査についてはこちら】

【作成・監修】

ジェイズ胃腸内視鏡・肛門クリニック
理事長 柴田 淳一

【資格・所属学会】

東京大学大学院修了 医学博士
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本大腸肛門病学会専門医・指導医
日本消化器病学会専門医
日本消化器外科学会専門医
消化器がん外科治療認定医
浦和医師会胃がん検診読影委員 など