「痔だと思っていたら…」40代、そして20代・30代にも急増する若年性大腸がんのサインと見分け方|さいたま市南区の胃腸科・肛門科|ジェイズ胃腸内視鏡・肛門クリニック

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医療コラム COLUMN

「痔だと思っていたら…」40代、そして20代・30代にも急増する若年性大腸がんのサインと見分け方

更新日:2026年04月08日


「職場の40歳の健診で『便検査』は異常なしだったし、大丈夫」

「最近、便に血が混じるけれど、まだ20代・30代だし、どうせ痔だろう」

日常診療において、実際にお腹の異常や血便などの症状があって当院を受診されたにもかかわらず、「健診で異常がなかったから」「どうせ痔だろう」とご自身を納得させようとする働き盛りの患者様が少なくありません。しかし、消化器外科専門医、消化器内視鏡専門医としての経験から申し上げると、その自己判断は非常に危険です。

かつて「高齢者の病気」と考えられていた大腸がんですが、現在、40代を中心に、20代や30代という極めて若い世代においても世界規模で急増していることが問題視されています。 今回は、20代〜40代を襲う若年性大腸がんの特徴(特に「直腸」にできやすいという点)や、見逃してはいけない初期症状について、最新の医学データと、さいたま市で年間4000件以上の大腸内視鏡検査を行っているクリニックの臨床医として今までに経験したエピソードを交えて徹底解説します。


1. 若年性大腸がんは40代が中心。さらに20代・30代へと若年化

「若年性大腸がん(Early-Onset Colorectal Cancer)」とは、50歳未満(20代〜40代)で発症する大腸がんとされており、その中核を占めるのが40代です。

最新の研究では、この世代のリスクがかつてないほど高まっていることが浮き彫りになっています。

・国立がん研究センター参画の最新研究(2025年)
日本を含む世界44か国を対象とした国際共同研究(Terashima M, et al.)において、日本を含む多くの国で、20歳から49歳の若年層におけるがんの罹患率(かかる割合)が明確に増加していることが報告されました。特に大腸がんは罹患率・死亡率ともに増加傾向にあり、「真の発症増加」であると警鐘を鳴らしています。
・アメリカにおける恐ろしい予測。2030年に向けて20代〜30代前半で「結腸がん・直腸がん」が激増
米国の著名な医学誌(JAMA Surg)に発表されたアメリカ国内の予測データによると、現在の傾向が続けば2030年には、米国の20〜34歳の若い世代で「結腸がん」の発症率が90.0%、「直腸がん」が124.2%も増加すると推計されています。また、同国の35〜49歳においても結腸がんが27.7%、直腸がんが46.0%増加すると予測されています。このアメリカにおける猛烈な若年化の波は、同じく食生活の欧米化やライフスタイルの変化が進む日本にとっても、決して対岸の火事ではありません。
・アメリカでは大腸内視鏡検査の推奨年齢を「45歳」へ引き下げ
米国がん協会(ACS)は若年層での急増を受け、検診開始の推奨年齢を50歳から45歳へと引き下げました。背景には「1990年生まれの世代は、1950年生まれと比較して結腸がんリスクが2倍、直腸がんリスクが4倍に達している」という疫学データ(Siegel RL, et al.)があります。

つまり、40代が危険なのはもちろんのこと、さらに若い20代・30代へとその危機が急速に波及していることや直腸がんが多いことなどが問題視されているのです。

2. なぜ「働き盛り世代」で急増しているのか?


「家族にがんの人がいないから平気」と考える方が多いですが、若年性大腸がんの約70~90%は遺伝とは無関係に突然発症する「散発性」です。

なぜ、今の20〜40代でリスクが跳ね上がっているのでしょうか。明確な原因は現在も研究段階ですが、主に以下の「現代ならではの環境要因」がリスクとして強く疑われています。

・食生活の欧米化と「超加工食品(Ultra-processed foods)」
糖分・塩分・脂肪分が多く、添加物を含む「超加工食品(ファストフード、加工肉、スナック菓子等)」の過剰摂取です。20〜40代はこれらを幼少期から摂取してきた世代であり、慢性的な食物繊維不足と相まって、腸内粘膜に長年のダメージを与え続けていると指摘されています。
・腸内フローラ(腸内細菌叢)のバランスの乱れ
現代特有の偏った食生活や慢性的な仕事のストレス、幼少期からの頻繁な抗生物質の使用などが腸内環境を悪化させます。これにより腸内フローラの多様性が失われて悪玉菌が増殖し、腸管内の炎症や発がんを直接的に促進している可能性が世界的な研究で疑われています。
・「座りっぱなし」の生活(Sedentary Lifestyle)
長時間のデスクワークスマートフォンの普及による、慢性的な運動不足とそれに伴う肥満です。現代社会において「座りっぱなし」の時間は劇的に増加しており、この活動量の低下が全身の代謝を落とし、様々な疾患の発症リスクを押し上げる要因とされています。

3. その血便、本当に「痔」? 20代〜40代に多い「直腸がんの罠」

若い世代の方が血便を見た時、ほとんどの方が「切れ痔やいぼ痔だろう」と自己判断してしまいます。しかし、ここには恐ろしい罠が潜んでいます。

実は、若年性大腸がんでは、肛門のすぐ近くにできる「直腸がん」の割合が高いという特徴があります。直腸は肛門の直前にあるため、そこから出血した場合、血液はどす黒く変色せず、痔と全く同じ「鮮やかな赤い血(鮮血)」として便に付着します。

  痔(主に内痔核など) 若年層に多い「直腸がん」
血液の色 鮮やかな赤色(鮮血) 鮮やかな赤色(鮮血)が出ることが多い
出血の仕方 排便時にポタポタ落ちる
紙に付く
痔と同じように紙に付く
便の表面に付着する
痛みの有無 痛みのないことが多い 初期は全く痛みがない
肛門にかかると痛むことも


つまり、「鮮血だから痔だろう」「痛くないから痔だろう」と症状だけで区別することは専門医でも不可能です。がんと痔が同時に存在しているケースも非常に多いため、血便が続く場合は絶対に内視鏡検査が必要です。

4. 出血だけじゃない!「過敏性腸症候群」や「仕事のストレス」と誤診されやすい危険なサイン

大腸がんのサインは「血便」だけではありません。私が過去に診療した20代の男性の方は「お腹が異常に張って苦しい」「下痢と便秘を繰り返す」といった不調を抱え、別の医療機関を受診していました。しかし、年齢が20代と若かったことから「ストレスによる過敏性腸症候群(IBS)だろう」と診断され、内視鏡検査をされないまま長期間様子を見られていました。しかし一向に良くならず、後に別の病院で精密検査を受けたところ、すでに進行した大腸がんであることが判明したのです。

また、40代の方でも「職場のストレスで胃腸の調子が悪いだけだ」と思い込み、受診が遅れるケースがみられます。

血便がなくても、以下の症状が続く場合は内視鏡検査を受けるべきサインです。

  • 便が細くなった(鉛筆のような便が出る)

  • 下痢と便秘を繰り返す(便通異常)

  • 慢性的なお腹の張り、原因不明の腹痛、急な体重減少

5. 「忙しい」「健診で異常がなかった」という油断が最大の敵

40代は責任ある立場で仕事に追われ、20代・30代もキャリアの構築や育児に奮闘する、まさに人生で最も忙しい時期です。

40代の方の多くは「職場の便潜血検査(検便)で陰性だったから大丈夫」と安心しがちです。しかし、便潜血検査の感度(がんを発見できる確率)は決して100%ではありません 出血していない早期がんやポリープはもちろんのこと、すでに進行している大腸がん(進行癌)であっても、たまたま便と擦れずに出血しなかった場合、検査を「すり抜けてしまう」ケースが実際に存在するのです。

また、20代・30代の方は「スマホで調べたら『痔』と書いてあったから市販薬で散らそう」と自己判断しがちです。

「便検査が陰性だったから」「自分だけはがんになるはずがない」という思い込みを捨てること。そして、血便や便通異常など、少しでも気になる「症状」がある場合は、検診の結果に頼らず、必ず医療機関で直接ご相談ください。 それは決して大げさなことではなく、あなた自身の命と、あなたを大切に思っているご家族の未来を守るための「義務」なのです。


 さいたま市で「苦しくない大腸内視鏡検査」をお探しの方へ

当院では、武蔵浦和駅から通いやすい立地で、忙しい20代〜40代の皆様が安心して受診できる体制を整えています。

  1. 土曜日午前の診療、土曜・日曜の内視鏡検査に対応(予約制)

  2. 腸を無理に伸ばさない「無送気軸保持短縮法」で痛みを最小限に

  3. 鎮静剤の使用と、同日の胃・大腸検査対応

検査前の食事制限や、当日の具体的な流れについては、こちらの専用ページで詳しくご案内しております。
さいたま市南区・武蔵浦和駅近くのジェイズ胃腸内視鏡・肛門クリニックの大腸カメラ予約

まとめ:あなたの「安心」が当院の願いです

若年性大腸がんは、内視鏡検査で早期に発見・切除できれば防げる病気です。

「痔かもしれない」「まだ若いから」「健診で異常がなかったから」とやりすごさずに、当院でその不安を「安心」に変えませんか?私たちは、あなたの健康を全力でサポートいたします。
【当院の診察web予約はこちらから】

■ 専門医による内視鏡検査を広域からご受診いただいております
当院では、胃腸内科(消化器内科)および肛門科の専門治療を提供しており、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)や経鼻胃内視鏡検査(胃カメラ)に幅広く対応しております。 武蔵浦和駅からアクセスしやすい立地にあり、苦痛に配慮した高度な内視鏡検査を行っていることから、近隣にお住まいの方だけでなく、広域からも非常に多くの方にご来院いただいております。
  • JR沿線からのアクセス: 中浦和、南浦和、西浦和、北戸田などの各駅周辺

  • さいたま市内および近隣市町村: 浦和・大宮といったさいたま市内全域をはじめ、戸田市、蕨市、川口市、朝霞市、上尾市など

遠方からお越しの方にも、スムーズかつ安心して検査を受けていただける診療体制を整えております。お腹のことでお悩みがあれば、ぜひ一度ご来院ください。スタッフ一同、心よりお待ちしております。

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【作成・監修】

ジェイズ胃腸内視鏡・肛門クリニック
理事長 柴田 淳一

【資格・所属学会】

東京大学大学院修了 医学博士
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本大腸肛門病学会専門医・指導医
日本消化器病学会専門医
日本消化器外科学会専門医
消化器がん外科治療認定医
浦和医師会胃がん検診読影委員 など

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