「もしかして機能性ディスペプシア?」胃もたれ・痛みを放置せず、まず胃カメラを受けるべき理由を専門医が徹底解説|さいたま市南区の胃腸科・肛門科|ジェイズ胃腸内視鏡・肛門クリニック

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医療コラム COLUMN

「もしかして機能性ディスペプシア?」胃もたれ・痛みを放置せず、まず胃カメラを受けるべき理由を専門医が徹底解説

更新日:2026年03月02日

さいたま市南区の武蔵浦和駅近くのジェイズ胃腸内視鏡・肛門クリニックの専門医が機能性ディスペプシアについて解説

はじめに:長引く胃の不調、市販薬でごまかしていませんか?

「いつも胃がもたれている」
「みぞおちがキリキリ痛む」
「少し食べただけですぐにお腹がいっぱいになってしまう」——
このような胃の不調が何週間も続いているとき、つい市販の胃薬を飲んでやり過ごしてはいないでしょうか。薬を飲めば一時的には症状が落ち着くかもしれませんが、薬を手放せなくなっているとしたら注意が必要です。

近年、テレビや雑誌でも取り上げられることが増えた「機能性ディスペプシア(FD)」という病気をご存知の方も多いかもしれません。「自分の症状はこれに違いない」と思い、ご来院される患者様も増えているように感じます。しかし、消化器内視鏡専門医の立場から申し上げると、長引く胃の症状を自己判断で片付けることは非常に危険です。

今回は、機能性ディスペプシアの正しい理解と、本当の原因を見極めるために「なぜ胃カメラやピロリ菌検査が重要なのか」について詳しく解説します。

1. 「機能性ディスペプシア(FD)」とは?

特徴的な4つの症状

機能性ディスペプシア(Functional Dyspepsia:FD)とは、胃がんや胃潰瘍のような「目に見える明らかな異常」がないにも関わらず、慢性的に胃の不快な症状が続く病気です。主に、胃の働き(運動機能)の低下や、胃の感覚が過敏になること、さらには過度なストレスや疲労などが複雑に絡み合って発症すると考えられています。

代表的な症状として、以下の4つが挙げられます。

  • 食後の胃もたれ感: 食事のあとに、胃の中に食べ物がいつまでも滞在しているような重苦しい感覚。

  • 早期飽満感(満腹感): 食事を始めてすぐに胃がいっぱいになってしまい、通常の量を食べきれない状態。

  • みぞおちの痛み(心窩部痛): 食事とは関係なく、みぞおち周辺にズキズキとした痛みがある。

  • みぞおちの焼けるような感じ(心窩部灼熱感): みぞおち周辺が熱を持ったようにヒリヒリ、ジリジリする感覚。

これらの症状が週に数回、数ヶ月にわたって続く場合は、機能性ディスペプシアが疑われます。

2. 「ただの胃もたれ」という自己判断の落とし穴

「器質的疾患の除外」
機能性ディスペプシアを診断する上で、重要なのが「器質的疾患の除外」です。

日本消化器病学会が発行する『機能性消化管疾患診療ガイドラインー機能性ディスペプシア(FD)』において、器質的な疾患の疑われる方に対しては、消化器病専門医が実施すべき検査として胃カメラ(胃内視鏡検査)があげられており、胃がんや胃潰瘍といった目に見える異常がないことを直接確認することとされています。

つまり、しっかりと検査をして、重大な病気がないことを確認してから「機能性ディスペプシア」という診断になるのです。

消化器の専門医が検査もせずに「ストレスからくる機能性ディスペプシアですね」と診断することはほとんどありません。なぜなら、単なる胃もたれやストレスだと思っていたら、実は「胃がん」や「胃潰瘍」といった重大な病気が隠れていた……というケースが実際に少なからずあるからです。

3. 症状の裏に潜む「ピロリ菌」~感染による胃炎との鑑別~

ヘリコバクター・ピロリ関連ディスペプシア

機能性ディスペプシアと非常によく似た症状を引き起こす、もう一つの身近で大きな原因があります。それが「ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)」です。

ピロリ菌が胃の粘膜に棲みつくと、慢性的な炎症(ヘリコバクター・ピロリ関連ディスペプシア)を引き起こします。これにより、胃もたれや痛みといった不調が慢性化するのです。 実際、長年胃の不調に悩まされていた方が、検査でピロリ菌陽性と分かり、除菌治療を行っただけで嘘のように症状が消え、劇的に改善するケースを経験することがあります。だからこそ、症状の根本原因を突き止めるためには、ピロリ菌感染の有無を必ずチェックする必要があります。

▶︎ [ピロリ菌検査の詳細についてはこちら]

4. なぜピロリ菌検査の前に「胃カメラ」が絶対に必要なのか

医学的理由と保険のルール

ここで多くの患者様から、「では、まずは採血や呼気検査でピロリ菌がいるかだけ調べてほしい」というご要望をいただきます。お気持ちは大変よく分かるのですが、実は日本の健康保険のルールにおいて、ピロリ菌の検査や除菌治療を行う前には、必ず「胃カメラ(内視鏡検査)」を受けることが必要となっています。

「とりあえずピロリ菌の検査だけ」を保険適用で行うことは、制度上認められていません。これは単なるルールということではなく、きちんとした医学的根拠に基づいています。

ピロリ菌に感染している胃(萎縮性胃炎)は、胃がんが発生するリスクが非常に高い状態です。胃カメラを行わずにピロリ菌だけを除菌してしまうと、すでに発生している初期の胃がんを見落としてしまう危険性があります。まずは直接、内視鏡で胃の粘膜を観察し、「がんは隠れていないか」「潰瘍はないか」を確認することが、患者様の命を守ることにつながるのです。

5. 苦しい検査は昔の話。最新の「胃内視鏡AI」と鼻からの”ラクチン胃カメラ検査”

「胃カメラの必要性は分かったけれど、オエッとなるのが怖くてどうしても足が向かない…」
そうお悩みの方も多いでしょう。しかし、内視鏡検査の技術と環境は近年飛躍的に進歩しています。

ジェイズ胃腸内視鏡・肛門クリニックの胃カメラの特徴
胃カメラの苦痛と不安を最小限に抑えるため、鼻からのラクチン胃カメラ(内視鏡検査)に力を入れています。のどを通るときのオエッとなる嘔吐反射が苦手なかた・ご不安なかたには鎮静剤を使用した検査にも対応しています。
▶︎ [鼻からのラクチン胃カメラ(内視鏡検査)について]
医師とAIの目による「ダブルチェック体制」
さらに当院では、専門医の豊富な経験と技術に加え、最新の『胃内視鏡AI(人工知能)』を検査に活用しています。検査中はAIがリアルタイムで胃内の画像を解析し、わずかな粘膜の色調変化や早期がんのサインを瞬時に検知してお知らせします。熟練した医師の目と、AIの目による強力な「ダブルチェック」体制により、ごく小さな病変も見逃すことなく、極めて精度の高い胃のチェックを実現しています。

▶︎ [見逃しを防ぐ強力なサポート!当院の「胃内視鏡AI」について]

まとめ:自己判断せずに、治療への第一歩を踏み出しましょう

胃もたれや胃の痛みは、体が発している大切なサインです。「たかが胃もたれ」「きっと機能性ディスペプシアだろう」と自己判断で放置したり、市販薬で症状をごまかし続けるのは、今日で終わりにしませんか?

まずは一度、消化器の専門医にご相談ください。そして、AIを活用した苦痛の少ない胃カメラ検査で「何も怖い病気は隠れていない」という確かな安心を手に入れましょう。その上で、もしピロリ菌がいれば除菌治療を、本当に機能性ディスペプシアであれば適切な消化管運動機能改善薬や生活指導を行い、あなたの胃の健康を取り戻すための最適な治療を一緒にスタートさせましょう。

▶︎ [ジェイズ胃腸内視鏡・肛門クリニックの外来予約はこちら]

【作成・監修】

ジェイズ胃腸内視鏡・肛門クリニック
理事長 柴田 淳一

【資格・所属学会】

東京大学大学院修了 医学博士
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本大腸肛門病学会専門医・指導医
日本消化器病学会専門医
日本消化器外科学会専門医
消化器がん外科治療認定医
浦和医師会胃がん検診読影委員 など

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